作家さんやゲストの方々、編集部員がわたしの「すきなもの」について語るリレー連載。
多くの人々がなにかに熱中することが、身近な光景になったこの頃。
「すきなもの」も、それに対する気持ちも十人十色。
それを語り、共有することでわたしたちの気持ちが見えてくるかも?
バナーデザイン:惣田紗希

OUR FEELで『ロンロン、沼を知る』を連載中のnakami先生と、FEEL YOUNG(祥伝社)で『転がる女と恋の沼』を連載中の芥文絵先生。
「主人公がアイドルオタク」という以外にもおふたりには共通点が。それは…「【すきなもの】ーー推しが同じ」ということ。
そこに編集部員(同じグループの別のメンバー推し)も加わり、『ロンロン』の聖地であるロイホでまったり「推し活」や「アイドル」について語りました!

『ロンロン、沼を知る』163話
沼に落ちる時は一瞬——「推し」でつながる縁
編集:本日はよろしくお願いします! nakamiさんも芥さんも私が担当している作家さんですが、おふたりは今日が初対面ということで。
芥文絵:このお話を頂いた時、自分のオタク度に自信がなさすぎて一回はお断りしようと思ったんです。本当にライトなところを彷徨ってるから、あんまり深い話ができないんじゃないかと思って。
nakami:いやいやいや、私も全然ライトですよ!
編集:そうですか? nakamiさん、そうかな…??
nakami:全然新規※、新規です(笑)。
※新規…その対象を好きになってまだ日の浅いファンのこと。
編集:芥さんの推し活ライフは今の推しから始まったんですよね? それまで自分の中にオタク要素はなかったという…。
芥:そうなんです。あんまりオタクの友達もいなくて。
編集:私と芥さんの出会いって10年くらい前なんですけど、そのときはもちろんオタク同士の出会いではなく。ちょいちょいお茶を飲んで近況を話すような仲で。
芥:『転がる女』が始まるまでの茶飲み友達期間、長かったですよね。
編集:で、数年経ったころに私がいきなりK-POPの沼にハマりまして。
芥:当時「この人仕事の話そっちのけでずっとアイドルの話するじゃん」って思ってました(笑)。担当さんに熱烈に布教されてた時はそこまでハマってはなくて。その後に大学時代の友達も偶然そのグループにハマって、その子の家に泊まった時に一晩中動画を一緒に観たんです。そしたらそれが超楽しくて! 大きい画面にね、きれいな方(推し)がいらっしゃったんですよ(笑)。それがきっかけですかね。
nakami:それで芥さんもこっち側に(笑)。
編集:沼に落ちる時って本当に突然で一瞬ですよね!
nakami:そういえば担当さん、芥さんのお友達とふたりで旅行行ってませんでした? インライ※で聞きました。
※インライ…『転がる女と恋の沼』4巻発売に際して芥先生と担当編集が3時間オタクトークを繰り広げたインスタライブのこと。
編集:ですです! 芥さんの紹介で仲良くなりまして。その子と一緒に聖地巡ったりしました。
芥:その子、ロンロンのLINEスタンプ使ってますよ。
nakami:嬉しい〜! ありがとうございます!
編集:まさに「推し」でつながる縁! 推しがいなければこの鼎談だって実現しなかったわけですからね。
現実がつらいなら、せめて物語は優しく——『ロンロン』で描く理想のオタク界隈
芥:ロンロンもそんな感じでどんどんオタクの輪が広がってますよね。やっぱりnakamiさんの周りにもロンロンみたいにオタ友さんがいるんですか? その方たちをモデルにしつつ?
nakami:そうそう、そんな感じです。
編集:『ロンロン』、個性的なキャラどんどん登場しますもんね。私はポメニムが推しです! あんなに小さいのにパワフルで。
nakami:ランチパックと同じ重さなのに(笑)。
芥:キティちゃんより軽い! どういう仕組み!?
nakami:ライブでインコの岩上下さんに持ち上げてもらってましたしね。

『ロンロン、沼を知る』427話
芥:種族はもちろん職業や立ち位置も多様で、「プルズ※」っていう共通項がなければ知り合わなかったようなようなキャラたちが、ロイホとかで和気あいあいとお喋りしているのが素敵ですよね。
※プルズ…ロンロンたちの好きなアイドルグループ・プレシャウスのファンネーム。
編集:まさに今の私達(笑)。そういえば、インスタの最新話の鳥さんもめっちゃ可愛かったんですけど!
nakami:コザクラインコとミミズクのキャラですよね。

遠征に来たロンロンたちがホテルの朝食会場で出会うプルズたち。OUR FEELではこれから登場予定。
芥:本当だ!かわいい〜〜!!
nakami:ちょっと珍しく嫌なファンを描いてみようと思ったんですよ、今まで『ロンロン』の世界に嫌なキャラっていなかったから。サセン※まではいかないけどちょっと困ったファン。でも私鳥好きなんで描いてみたら可愛くなっちゃって、嫌なことやらなそうだなと。悪役が描けなくてね〜、どうしましょうね?(笑)
※サセン…K-POP界隈で使われる用語。「私生活(サセンファル)を追い回すファン」の略で、迷惑行為をするファンを指す。
芥:え〜、悪役いなくても良くないですか? 現実がすでにつらい世界ですから。つらい話はダメだと思う!
編集:そうですよ! 優しい世界でいいじゃないですか。プルズはみんないい子でいてほしいです!
nakami: …ていうか、今気づいた怖いこと言っていいですか? ここまで私たちまだ何も注文してないんですよ。
芥:やばい! 頼みましょう頼みましょう!
編集:注文もせず喋りまくってても待っててくれる店員さん…! ここにも優しい世界が(笑)。
対面からすぐ、オーダーも忘れるほどのマシンガンオタトークを繰り広げてしまった私達(大反省)。
次回の更新は2026年1月8日(木)の予定です!
nakami先生の推し活のルーツに迫ります!(もちろん注文を済ませたあとで🍚)

『ロンロン、沼を知る』個展開催決定!
『知ってからというもの vol.2』 in 仙台
🗓 2025.12.6(土)7(日)
📍 SENDAI KOFFEE CO.
‧₊˚ ୨ ぜひ感想をお聞かせください ୧ ˚₊docs.google.com
子供の頃からキャラクターを描くのが好きでずっと描いていました。 ロンロンと同じく食べることが大好き。ロイヤルホストにいつでも行きたいです。
▼X(旧Twitter)
@ronron_numa
▼Instagram
@ronron2328/
2011年、「つぼみ」(芳文社)にて『私の愛する河野さん』でデビュー。「デザート」(講談社)の連載作『セキララにキス』(全9巻)で人気を博す。監修作に「マンガ家と作る背景イラスト集〈教室〉」(新書館)がある。現在は「FEEL YOUNG」(祥伝社)にてオタク会社員と隣人年下男子の交流を描いた『転がる女と恋の沼』を絶賛連載中。
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@fumie_akuta