マツオヒロミ描き下ろし OUR FEEL1周年お祝いイラスト『hug!』公開

メッセージ

 OUR FEEL一周年おめでとうございます!

  今こんなことにモヤモヤしてる…こんなことにドキドキしてる…その気持ちを代弁するようなOUR FEELの掲載作品たち。今を生きる私の心にエールをいただいているように感じています。作家として、こんな風に、今を生きる誰かの心につながっていけたらいいな、と掲載作家の皆様や編集部の皆様に憧れながら拝見しております。

 一周年のお祝いイラストのことを考えていたら、笑顔の女の子が頭の中に降ってきました。

 思えば、私は駆け出しのころは「アンニュイ顔」が自分のアイデンティティだという実感がありました。笑顔を描こうとしても、描けなかったです。手が描きたくない、って止まる感じです。

 丁度最近、そうした過去の作品を改めてじっくり見る機会があり、切実に「アンニュイ顔」じゃないと嫌だ、と感じていた時期があったことを思い出しました。

 駆け出しの時期は2010年〜2014年くらいなのですが、そこから10年以上経ちまして。今ではスッと笑顔が降ってきて、素直にそれを描いている。そのことに驚きました。お祝いにアンニュイ顔もなかろう、なのですが…こんなに抵抗なく描けるなんて、驚きだったのです。

 ああ、人間って変わるんだな。何だかすごく自由になれた気がしました。重ねた歳月が私に自由をくれたみたいで、嬉しかったです。

 …自分の話が長くなりました。「どんな気持ちも、わたしだけのもの」自分の気持ちを、心を、大切にハグするようなこのOUR FEELのコピーが大好きです。切実に「アンニュイ顔」にこだわった私も私。笑顔を描いてる私も私。いつもそのままの心でいいんだなと思います。そんな折々の「心」を一つ一つ重ねながら、自由という恵みをこれからも受け取れたら、幸せなことだと思います。

 改めてまして、1周年おめでとうございます!

マツオヒロミ

イラストレーター。
1980年島根県松江市生まれ。2010年よりイラストレーターとして活動開始し、多数の同人誌で人気を博す。2016年初の単行本『百貨店ワルツ』(実業之日本社)が大ヒット。レトロモダンな世界観と女性のイラストをメインに、こだわり抜いた色彩と独自のファンタジーを混ぜ、唯一無二の世界を確立する。
最新作『マイ ガーランド』(河出書房新社)ではランジェリーをテーマに新境地を開く。
2013年より岡山県在住。2024年4月6日より弥生美術館で個展『マツオヒロミ展〜レトロモダンファンタジア〜』を開催。
現在『イラストデーション』(玄光社)にて、わたせせいぞう氏とのコラボ漫画を連載中。

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