OUR FAVORITE THINGS vol.10 ゲスト:nakami先生×芥文絵先生 Part.3

作家さんやゲストの方々、編集部員がわたしの「すきなもの」について語るリレー連載。
多くの人々がなにかに熱中することが、身近な光景になったこの頃。
「すきなもの」も、それに対する気持ちも十人十色。
それを語り、共有することでわたしたちの気持ちが見えてくるかも?

バナーデザイン:惣田紗希

OUR FEELで『ロンロン、沼を知る』を連載中のnakami先生と、FEEL YOUNGで『転がる女と恋の沼』を連載中の芥文絵先生。
「主人公がアイドルオタク」という以外にもおふたりには共通点が。それは…「【すきなもの】ーー推しが同じ」ということ。 
そこに編集部員(同じグループの別のメンバー推し)も加わり、『ロンロン』の聖地であるロイホでまったり「推し活」や「アイドル」について語りました!
前回に引き続き、ライブの魅力についてのお話が続いているようで…?

Part.1 、2はこちら
ourfeel.jp

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「アイドルを選んでくれてありがとう」――アイドルの原動力


『ロンロン、沼を知る』550話

編集:まだライブの話、していいですか? 
芥:どうぞどうぞ(笑)。
編集:ライブのセトリ※に各メンバーひとりひとりソロステージがあるのも、ジャニーズ(現STARTO ENTERTAINMENT)が発祥なのかな〜と思ったり…。いや、あくまで私が見てきた中で感じてるだけなんですけど。
※セトリ…セットリストの略。ライブで演奏される曲目の順番やその一覧。
nakami:そういえば一時期嵐の二宮くんのソロをすごく聴いてた時期があって。なんかピアノ弾き語ってましたよね? メガネかけてるんですけど曲の終わりにそのメガネをスッと外してくれて…。
芥:きゃー!そうなんですか!?
編集:『虹』ですよね! あれは名曲です…! ニノと言えば、「大宮SK」って知ってます? 嵐のライブでしか見られない、大野くんとのユニットなんですけど。謎設定の架空のアイドルユニットで、タンクトップに頭に羽つけて光GENJI※みたいな出で立ちで…
※光GENJI…1987〜1995年にジャニーズ事務所初のローラースケートパフォーマンスで一世を風靡した男性アイドルグループ。
nakami:そんなユニットが!? 教えてください!(笑)
編集:このシュールさ言葉で伝えるの難しすぎる! よかったらググってみてください(笑)。あまりに好き放題、悪ふざけしすぎて度々事務所に怒られたりしてたんですが、結構ガチめに踊るんですよ、ダンスのキレが良い。
芥:楽しんで極めてくれるのっていいですよね!
編集:そうそう、本人たちが楽しくてやってんだろうなっていうのも微笑ましいし、余興も全力っていうサービス精神に心打たれるんですよね。
nakami:ファンを大事にしてくれる感じしますね。
編集:他にも着ぐるみ着て踊ってくれたりね…変にカッコつけたりスカした感じがしないところが…ってすいません、なぜこんな嵐論に(笑)。とにかくアイドルっていいですよね! 最終的にはいつもそこに行き着きます。
芥:アイドルを選んでくれてありがとうって感じですよね。なかなか選びにくい職業だと思いますし。
nakami:本当に大変なお仕事ですよ。
芥:もちろん強い意志と覚悟があって目指すんでしょうが、求められるものがあまりに多すぎて過酷ですよね…。
nakami:嫌な思いもたくさんしてると思うんですよね。何が原動力なんでしょうね?
編集:私、アイドルのモチベーションには大きく2つのフェーズがあると思っていて。デビュー前やデビューしたばかりの「目指すもの」がある時って、たぶんほとんどの子が「自分のため」だと思うんです。自己顕示欲とか承認欲求とか「何者かになりたい」みたいな欲を満たすためにがむしゃらに練習するし、努力するフェーズ。そしてある程度キャリアを積んで成功して、山頂で一服した時、ちょっと見える景色が変わるというか。そのあたりで自分に向いていた矢印が、支えてくれるスタッフやファンダムに向く瞬間がくる気がするんです。有名になりたい、愛されたい、お金が欲しいとか、そういういうのじゃなく「求められるからやる」っていうフェーズ。
nakami:どちらにも良さがありますよね! 若い時代の上を目指してがむしゃらに頑張る推しのきらめきも尊いですし。オーディション番組が人気なのもわかります。
編集:やー、そうなんですよ。私はどちらかと言うと後者の使命感みたいなものに駆られてるアイドルに惹かれるものがある気がします。嵐も今の推しグルも、ガツガツ頑張ってた時代からそっちのフェーズに移行したあたりでハマったなと思いまして。そう考えると、こちらがハマるのにもタイミングというか、巡り合わせがあるな〜と思いますね!
芥:タイミングわかります! 私も今の推しがもっと若い頃に出会ってたとして、ここまでハマってなかったような気がしてます。応援して育てるより、極めたものを崇めたいタイプ(笑)。

 

「概念に礼を尽くしている(笑)」ーーオタクの考える露出問題

編集:芥さんの場合、ご自身のモラルの高さも影響しているのでは? 割とその辺の線引きがちゃんとしてますよね。
nakami:えっ? どういうことですか?
芥:デビュー当時に公開してたバラエティの、「罰ゲーム」とか「ドッキリ」がちょっとダメで…。
nakami:あー!なんかわかります。私もあれはちょっと苦手でした。
芥:推し本人が〜っていうより、そういう企画をやっちゃう運営に「ちょっとどうなの?」と。ドッキリに嵌められて本気で泣いちゃってるのとか可哀想で見れないですよ!
編集:時代の空気感もあるから、リアルタイムでは大したことに「されてなかった」ことが今見ると違和感みたいなことはどうしてもありますよね。
芥:今はもうある程度メンバーたちで「やりたいこと」「やりたくないこと」をコントロールできている気がするので、安心して推せますね。
nakami:そういえば私にはもう一組推しのグループがいるのですが、いつもより露出の多い衣装を着た時に、界隈がちょっとざわつきまして…。「大丈夫なのか? やらされてないか?」と。普段全然露出しない子もいたから「本当は嫌なんじゃないか?」ってみんなして心配になってしまって。
芥:本人の気持ちがわからないと不安ですね…。
nakami:結局その後、本人の口から「今回の衣装、チャンレンジしてみました。気に入ってます」みたいな言葉を聞けたのでホッとしつつも、まだ「言わされてないか?」とか思ってしまったり。でも彼らも大人なんだから、そんな過保護な目で見るのも逆に失礼であろうという思いもあったりして。
編集:わかります、露出問題難しいですよね。うーん、でも本人から進んで腹筋見せられたら歓声を上げるのは礼儀というか…。
nakami:そうそう、それは礼儀ですね(笑)。
芥:せっかく腹筋仕上げてきたのに「スン…」ってされたら切ないですもん(笑)。
編集:やはりポイントは意図的な演出かハプニングか…ってことですかね? 以前パフォーマンス中に推しのジャケットのボタンがうっかり外れてお腹が見えてしまったんですが、その時の動画がSNSで回った時にちゃんと咎めるファンがいて、今のオタクのモラル、ちゃんとしてるなー!って。
nakami:でも編集さんの推しってハプニングで見られてもなんとも思わなそう。
編集:それはそう! その後ステージからはける時、ガバっとジャケットごと脱いで上半身裸でしたからね。彼にとって露出はなんら恥ずかしいことではなさそう…。
芥:そういう人となりによっても話変わってきますよね(笑)。
nakami:前にオタク仲間から聞いた話なんですが、ある曲に服をめくってお腹を見せる振り付けがあるんです。だけどその日はメンバーがインナーをしっかり着込んでて。実際お腹は見えなかったわけですが、振りだけでめちゃくちゃ歓声が上がったという(笑)。「来るぞ、来るぞ、来た!」って、条件反射というか。歌舞伎の掛け声みたいなもんですよね。


『ロンロン、沼を知る』559話

芥:本当に肌を見て興奮してるわけではないんですよね(笑)。
編集:そういう概念というか。我々は概念に礼を尽くしている(笑)。
芥:そもそも気持ちが高まるようなセクシーさに、肌見せがマストってことでもないんですよ。マンガだって別に裸体を描けばエロいってことではなくて。服着てたってストーリーの持っていき方とか演出によって、読んでる人の気持ちを高めることはできると思うんです。
nakami:確かに〜!

好きだから考える、でも最後は「最高!」に戻ってくる。「推し活」の醍醐味です。
次回の更新は4月16日(木)の予定です!

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nakami

子供の頃からキャラクターを描くのが好きでずっと描いていました。 ロンロンと同じく食べることが大好き。ロイヤルホストにいつでも行きたいです。
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芥文絵

2011年、「つぼみ」(芳文社)にて『私の愛する河野さん』でデビュー。「デザート」(講談社)の連載作『セキララにキス』(全9巻)で人気を博す。監修作に「マンガ家と作る背景イラスト集〈教室〉」(新書館)がある。現在は「FEEL YOUNG」(祥伝社)にてオタク会社員と隣人年下男子の交流を描いた『転がる女と恋の沼』を絶賛連載中。
▼X(旧Twitter) @akuta_fumie
▼Instagram @fumie_akuta