OUR FAVORITE THINGS vol.7 ゲスト:nakami先生×芥文絵先生 Part.2

作家さんやゲストの方々、編集部員がわたしの「すきなもの」について語るリレー連載。
多くの人々がなにかに熱中することが、身近な光景になったこの頃。
「すきなもの」も、それに対する気持ちも十人十色。
それを語り、共有することでわたしたちの気持ちが見えてくるかも?

バナーデザイン:惣田紗希

OUR FEELで『ロンロン、沼を知る』を連載中のnakami先生と、FEEL YOUNGで『転がる女と恋の沼』を連載中の芥文絵先生。
「主人公がアイドルオタク」という以外にもおふたりには共通点が。それは…「【すきなもの】ーー推しが同じ」ということ。 
そこに編集部員(同じグループの別のメンバー推し)も加わり、『ロンロン』の聖地であるロイホでまったり「推し活」や「アイドル」について語りました!
ようやくオーダーを済ませ、料理を待つ間も我々のおしゃべりは止まらないーー?

Part.1はこちら
ourfeel.jp

 


『ロンロン、沼を知る』163話

 
あなたの「推し活」はどこから?——今の推しに出会うまで

nakami:すいません、改めてですけど今日は何を喋るんでしたっけ?
芥文絵:あれですよね、MY FAVORITE THINGS…
編集:そうです。大枠としては「すきなものを語る」企画だから、いつもみたいに話してもらえれば大体形になるだろうと。とってもノープランです(笑)。
芥:nakamiさんの「オタクの歴史」聞きたいです!
nakami:そういえば、担当さんとロンロンの作品世界での「推し」の概念については色々話しましたけど、私自身の話をしたことあまりなかったかもですね? 
芥:nakamiさんの最初の「推し活」が知りたい。
nakami:初めての推し活…は小6…?「オタク」ってほどではなかったと思うんですけど、初めてのライブはSMAPでした。代々木競技場で『青いイナズマ』聞きました。
芥:わ〜! 歴史って感じ!! 推しのメンバーはいたんですか?
nakami:曲はよく聞いてましたけど、特に誰が好きとかはなく、友達と一緒に行って「楽しいな〜」という感じで。箱推し※ともちょっと違って「ちょっと好きなアイドル」みたいな。
※箱推し…特定のメンバー個人ではなくグループ全体を推すこと。
編集:このくらいの年代って、クラスメイトと「ジャニーズ(現STARTO ENTERTAINMENT)だと誰が好き?」みたいなのありましたもんね。
nakami:そうなんです。そんな感じで中2〜高1くらいは嵐の大野くんが好きでした。実は私、大野くんからファンレターの返事もらったことあるんですよ…!
芥:えーー!  返事とかくれるんですか!?
nakami:当時はまだデビュー前でジュニアだったんですよね。
芥:まだ嵐デビュー前…nakamiさん結構コアじゃないですか?
nakami:私タキツバ世代※だったので、当時ジュニアがTVにいっぱい出てたんですよね。
※タキツバ世代…後のタッキー&翼、嵐メンバー、生田斗真、山下智久などがジュニアとして活躍した「ジャニーズJr.黄金期」に青春を過ごした世代。

編集:あれですよね、 「東の滝沢、西の渋谷※」みたいなね。
※東の滝沢、西の渋谷…黄金期のジュニアとして、東京の中心に滝沢秀明、関西の中心に渋谷すばるが君臨していた状況を示す言葉。

芥:???????
編集:あっ…! 芥さんがジェネレーションギャップでついてこれてない…!
nakami:それでまあ、当時はみんなジュニア大好きだったので、その流れで好きになりまして(笑)。大野くん、踊りがピカイチだったんですよね。今の推しもそうなんですけど、私ダンスの上手い人が好きで。
芥:わかります! その道を極めてる人って魅力的ですよね。その後どんな道を辿ってK-POPまで来たんですか?
nakami:少しアイドルから離れて、高校ではバンド、20代後半からは映画に傾倒しました。アメコミや映画好きが行くコミコン※ってイベントに行ったりして。いつも幕張メッセでやっているんですが、ちょうど私が行った時に偶然コミコンとは別会場で今の推しグループが握手会やってたんですよ。駅から会場までの柱とかにポスターが貼られてて。当時はまだハマる前だったので「へ〜、これが…」って感じでしたね。
※コミコン…世界各地で開催されるポップカルチャーイベント。東京コミコンではハリウッドセレブが来日しサイン会や撮影会を行い、多くの映画ファンが訪れる。
芥:すごい! 未来の推しと同じ時同じ場所に…!?
編集:ていうか私、なんとその握手会に参加してました。最初で(今のところ)最後の接触イベントなんです。懐かしいな〜!
nakami:担当さんともニアミスしてたっていう(笑)。で、そのあとくらいに友達から「K-POPにすごい奴らがいるぞ、やばい奴らがいるぞ」と(笑)。その子は映画や洋楽が好きな子で、まさかアイドルにハマるとは思ってなかったんですが、ものすごい布教されて。
芥:いや〜、 やっぱり抗えない魅力が(笑)。
nakami:それからは毎日動画が送られてきて。
芥:ハマるとみんな送っちゃいますよね。
編集:とりあえず送っちゃう、布教動画を。
芥:そしてたくさん見ていくうちに、やっとメンバーの顔の見分けがつくようになります(笑)。
編集:最初見分けつかないですよね。カムバ※のたびに髪型変わるから。K-POPオタクの先輩から「ある日、急に見分けつく瞬間がくるよ。アハ体験だよ」とは聞いていて、その瞬間を迎えた時「これが…!?」と感動したのを覚えてます(笑)。今ではなんで同じ顔に見えてたのか不思議です。全然違うのに。
※カムバ…「カムバック」の略で、K-POPアイドルが準備期間を経て、新曲やアルバムなどをリリースしプロモーション活動を始めること。

nakami:私も最初は全員違うメンバーの画像見せられて「これはみんな同じ人ですか?」って聞いてました(笑)。やっぱり共通して「整ってる」ってベースがあるからですかね? 


『ロンロン、沼を知る』5話

編集:そういえば、芥さんってハマる前から作画資料としてアイドルの写真集めてましたよね?
芥:一応名前でフォルダ分けして集めてましたね。顔の参考に。踊ってるところは見たことないけど、顔は知ってるみたいな感じ。でも正直男性を描くことにあまり興味がなかったんです。女の子描いてる方が楽しかった。それが推しにハマってから、ちゃんと興味を持って楽しく描けるようになって!
編集:えー! 編集としてとても嬉しいです! いい話!!

 
「こんなにもらっていいの!?」——新しい推し体験

芥:れでnakamiさんは動画を見ていくうちにハマっていったんですね?
nakami:はい。まず最初にK-POPの子たちがあまりに色んなものを見せてくれることにすごくびっくりしたんですよ。映画俳優さんはどこで何してるかわからない、謎に包まれた存在だったので。
編集:すごくわかります。私もかつてはジャニーズが個人SNS解禁してない時代のアラシック※だったので。Amazonで雑誌の表紙がシルエットになっていた時代の(笑)。推しの人となりを知る術はTVのバラエティや雑誌インタビュー、DVDの特典映像くらいしかなく、そういう供給をかき集めてました。だからK-POPを知って、最初は結構バグりましたね。「こんなにもらっちゃっていいの!? しかも無料で!?」って。
※アラシック…アイドルグループ「嵐」のファンを意味する俗称。

芥:自分がリアルに接している人たちより、何でも見せてくれるアイドルのほうが人間性や思想とか全然理解できちゃってる気になりますね。その感じも面白い!
nakami:あとやっぱりライブの完成度すごいですよね!
芥:パフォーマンスの技術の高さに「うわーーー!」ってなりますよね。いいエンタメを見せていただいて…。
編集:私専門家でもなんでもないんですが、ジャニーズからK-POPに移行した身として感じたのは、K-POPのライブはいい意味でジャニーズの影響を受けてるなと。
nakami:最近は日本でのK-POP市場自体が成熟しているから独自路線を切り拓いてる向きもありますが、たしかに「さあこれから日本に進出してファンを獲得しよう!」という時に、日本ですでに確立している市場を研究しないわけないですもんね。
編集:例えば一見ダサさを感じるギラギラしたスパンコールの衣装。あれドームの天井席から見ると推しがどこにいるか分かってすごい助かるんですよ! そういう知恵を、絶対ジャニーズがK-POPに教えてくれたと思ってます。ムービングステージ※を使えるのだって松潤のおかげだし、トロッコで後方席を回ってくれるのもきっと日本の文化ですよね。
※ムービングステージ…ライブで客席の上を移動する可動式ステージ。透明なアクリル板でできているため、観客はアーティストが頭上を通る様子を見ることができる。嵐の松本潤が考案したが特許を取らなかったため、多くのアイドルのライブで採用されている。 

芥:そういう下地があってこそK-POPが日本にこれだけ浸透したのかもですね。近頃は日本のアイドルもK-POPアイドルみたいにYouTubeとかバリバリやってますし、曲調やダンスの影響を受けているとも聞きますし、お互いに良いところは取り入れ、切磋琢磨している素敵な関係ですよね! オタクとしてとてもありがたい…!

気づけば話題は、推しの歴史からライブの魔力まで。仲間と「好き」を語る時間も楽しい推し活です。
次回の更新は2月19日(木)の予定です!
三者三様な「アイドル論」についておしゃべりします!

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nakami

子供の頃からキャラクターを描くのが好きでずっと描いていました。 ロンロンと同じく食べることが大好き。ロイヤルホストにいつでも行きたいです。
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芥文絵

2011年、「つぼみ」(芳文社)にて『私の愛する河野さん』でデビュー。「デザート」(講談社)の連載作『セキララにキス』(全9巻)で人気を博す。監修作に「マンガ家と作る背景イラスト集〈教室〉」(新書館)がある。現在は「FEEL YOUNG」(祥伝社)にてオタク会社員と隣人年下男子の交流を描いた『転がる女と恋の沼』を絶賛連載中。
▼X(旧Twitter) @akuta_fumie
▼Instagram @fumie_akuta